本作の主人公・川辺市子は、3年間ともに暮らしてきた戀人の長谷川義則からプロポーズされた翌日に、忽然と姿を消す。途方に暮れる長谷川のもとを訪れたのは、市子を探しているという刑事。その刑事は長谷川に市子の寫真を差し出し「この女性は誰なのでしょうか」と尋ねる。これまで彼女と関わりがあった人々から証言を得ていくうちに、かつての市子が違う名前を名乗っていたことを知る長谷川。そんな中、彼は市子が置いていったカバンの底から1枚の寫真を発見し、その裡に書かれた住所を訪ねる。そして長谷川は、市子の壯絶な過去と真実を知るのだった。