昭和26年発表の『悪魔が來きたりて笛を吹く』は、橫溝正史作品には珍しく、東京の元華族の屋敷を舞台にしたミステリー。過去6回にわたって映像化されたこの人気作を、桑名市に殘る文化財級の洋館で撮影、原作の持つ重厚なゴシック・ホラー・テイストを再現します。
事件に挑む金田一耕助を演じるのは吉岡秀隆さん。かつて渥美 清さんが金田一耕助を演じた『八つ墓村』(1977)が映畫デビューという吉岡さんが、予想外の結末を迎える謎を解き明かしていきます。映畫テイストにあふれた2時間のドラマとして、BSプレミアムならではの質の高いドラマをお送りします。
【あらすじ】
銀座の有名寶石店で、毒物を使った殺人事件が起きる。容疑者に目された舊華族の椿 英輔は、「これ以上の屈辱に耐えられない」と自殺を遂げる。その無実を信じる娘の美禰子から依頼を受けた金田一耕助は、椿邸で行われた奇妙な占いに立ち會うが、その夜、館に居候していた元伯爵が殺害される。捜査を始めた耕助は、舊華族のインモラルでおどろおどろしい人間関係やおごり、それらが生み出した怨念と悲劇に向き合っていくこととなる…。